”わかりやすい”マニュアル制作講座

第30回 【レイアウト】図ファイルのフォーマット

 

取扱説明で使う図

 

イラストやチャートなど、マニュアルではさまざまな種類の図を使用します。

第24回 【レイアウト】ビジュアル要素について」で説明したとおり、図はIllustoratorやPhotoshopなどの専用ソフトで作成します。

ここでは、図ファイルの知識について説明します。

 

図ファイルの種類

 

通常、図は専用ソフトで作成してDTPソフトで版下に貼り込んで使用します。

専用ソフトで作成される図には、大別すると次の2つの種類があります。

 

ビットマップ形式

いわゆる画像ファイルで、写真などのように細かいビットの濃淡やカラーで構成されます。

Photoshopなどのレタッチソフトで作成、保存したファイルは、このビットマップ形式のファイルになります。

そのほかにも、Windows付属のペイントソフトなどで作成したファイルもビットマップ形式になります。

拡張子は、BMPやPNGなどになります。

 

ベクター形式

イラストなど、線や面で構成される図はベクター形式で作成、保存するケースが大半です。

ベクター形式は、座標情報とそれをつなぐ直線、曲線で構成されます。

ベクター形式では、ビットマップ形式のように画面に対応したビットで図を表現せず、座標と線などの位置情報で図を描画します。

このため、拡大、縮小などをしても、図が荒れたり、線の太さが変わったりすることがありません。

代表的なソフトは、アドビシステムズのIllustratorです。

拡張子は、AIやSVGなどになります。

 

DTPソフトへの貼り込み

 

それぞれのソフトで図を作成して、図ファイルをDTPデータにリンクしたり埋め込んだりして使用します。

このとき、多くのビットマップ形式のファイルは、そのままDTPソフトで使用することができます。

一方、ベクター形式のファイルを貼り込めないDTPソフトもあります。

MS-Wordなどは、基本的にビットマップの図しか貼り込むことはできません。

そうした場合は、ベクター形式のファイルを作成したソフトで、エクスポートの機能を利用してビットマップファイルを生成します。

 

解像度

 

ビットマップファイルを作成する場合は、図の解像度に注意する必要があります。

印刷に使用する場合、解像度が低いと出力時にジャギー(ギザギザ)が出てしまいます。

画面キャプチャーデータなどのように、基本的に72dpiの解像度で作成される場合は、DTP上で使用する大きさで最初から図を作成したり、レタッチソフトで解像度を上げるなどの処理が必要になります。

通常は150~300dpi程度の解像度の画像を使用します。

一方、ベクター形式は、位置情報等の組み合わせで図を作るので、基本的に解像度に影響しません。

出力時の解像度が図の解像度になります。

 

株式会社 ワカール