”わかりやすい”マニュアル制作講座

第36回 【原稿作成】専門用語の使用はケースバイケース

 

 

「第35回 【原稿作成】中学生でもわかる文章で書く」では、難解な文章は避けるということを説明しました。

もちろん、わかりにくい文章や表現はどんな場合でもNGですが、専門的な用語や表現はどうすればいいでしょうか?

新しい製品やサービスであればあるほど、一般に馴染みの薄い用語や表現が登場します。

中には日本語になっていない用語などもあります。

 

専門用語が盛り沢山に使われたマニュアルを初心者や門外漢が読んでも、チンプンカンプンになってしまうでしょう。

幅広いユーザーが使うパソコン製品のマニュアルで「プロプライエタリのOSでは、、、」とか「SaaSで提供される、、、」などという説明は、多くの場合に拒否反応を引き起こすだけでしょう。

こうした用語を見た時点で、ユーザーはマニュアルから離れていきます。

これらのマニュアルでは、初出の時点で用語について説明したり、もし可能なら一般に馴染みのある用語や表現に置き換えます。

 

しかし、専門家向けのマニュアルではどうでしょう?

ユーザーの大半が専門家の製品では、噛み砕いた用語や表現では逆にわかりにくくなります。

同じ専門的なバックグランドや知識を持つ人が対象の場合は、専門的な用語や表現で説明したほうがわかりやすくなります。

噛み砕いた表現は「冗長」に感じて、読むことにストレスを感じるようになります。

 

大切なことは「第5回 【基礎知識編】ペルソナとは」で説明したように、製品のメインターゲットを設定し、そのユーザーに最適な用語、表現で原稿を作成することです。

簡単すぎてもダメ、難しすぎてもダメ、、、最適なレベルを探る努力が大切です。

 

株式会社 ワカール