”わかりやすい”マニュアル制作講座

第45回 【編集】校正内容のとりまとめ

 

第42回 【編集】マニュアル校正の基本

 

一般的に、マニュアルの校正にはさまざまな分野の多くの人が取り掛かります。

ライターや編集者はもちろんのこと、技術者、営業担当者、マーケティング担当者etc。

こうした人たちは、それぞれの立場、考え方で原稿や版下に赤字を入れます。

場合によっては、当初のマニュアル企画の方向性を知らない人が、自分の思いだけで修正指示を入れる場合もあります。

マニュアル企画時に設定した対象読者である「ペルソナ」を理解せずに「もっと詳しく説明しなければ」と思う人がいるかも知れません。

そうした修正指示をすべて反映すると、当初の「企画」が崩壊する可能性が多分にあります。

それを防いで、当初の企画に沿ったマニュアルを作成するためには、次の点を守る必要があります。

 

  • 校正者に「企画意図」と「目的」を明確に伝える
  • 何をどこまで校正してよいかを伝える
  • それぞれの校正者の守備範囲を明確にする

 

こうした役割分担と範囲を明確にし、その上で、各校正者から寄せられた修正指示を編集担当者が取りまとめることが大切です。

バラバラの修正指示を、そのままDTPに回すのではなく、情報を取捨選択して最終目的に合った指示だけ反映する仕組みが大切です。

そのためには、たとえ上司の指示と言えどもマニュアル目的に沿わない指示であれば切り捨てられるだけの権限が編集者には必要になります。

 

緻密な企画を組み立て、素晴らしいプロセスで制作をしても、いろいろな人の校正の手を経て見るも無残なマニュアルができあがる例は山とあります。

そうならないためにも、設計段階で校正のプロセスも十分に考慮しておくことが大切です。

 

株式会社 ワカール