”わかりやすい”マニュアル制作講座

第49回 【フィニッシュ】印刷入稿時の注意事項

 

第42回 【編集】マニュアル校正の基本

 

最終形態が印刷物の場合、印刷会社にデータを渡して印刷してもらう必要があります。

印刷には、さまざまな種類があり、それぞれで独自の約束事があります。

これらを知らなかったり守らないと、いざ印刷物が上がってきたときに「思っていたのと違う!」ということになりかねません。

事前に、プロである印刷会社と入念な打ち合わせをすることが大切です。

ここでは、一般的な印刷入稿のポイントについて説明しましょう。

 

基本的な仕様を伝える

当たり前の話ですが、忘れがちな事項もあります。

どんな印刷物に仕上げてほしいのかを明確に伝えます。

最低限、次のようなことを伝えましょう。

できれば、間違いのないように文書で伝えます。

 

  • 用紙サイズ
  • 印刷色数(表紙/本文)
  • ページ数
  • 印刷部数
  • 用紙種類(表紙/本文)
  • 印刷形式(オフセット/軽オフセット/ダイレクトなど)
  • 綴じ方(中綴じ/無線など)

 

印刷データを用意する

マニュアルの版下データは、何らかのDTPソフトで作っていることでしょう。

そのデータが、印刷に適しているかを確認します。

とくに、確認するのは次のポイントです。

 

  • フォントは埋め込まれているか(あるいは同じフォントが印刷所にあるか)
  • 画像は埋め込み、またはリンクファイルが用意されているか
  • トンボは付いているか(とくに裁ち落としのレイアウトの場合)
  • 4色の場合、CMYKデータになっているか
  • そのデータは印刷所で扱えるデータか(対応しているか)

 

とくに、フォントの問題と画像ファイルの問題は大切です。

指定したフォントが印刷所にないと、意図したレイアウトにはなりません。

画像ファイルがなければ、正しく印刷できません。

 

PDFファイルで入稿する

ネイティブなDTPデータで問題がありそうな場合は、PDFファイルで入稿します。

最近は、多くの印刷所が印刷用PDFファイルに対応しています。

印刷用PDFファイルは、フォントや画像ファイルの埋め込みができるので、フォントを持っていない印刷所でも印刷が可能です。

この印刷用PDFを作る場合は、次の点に注意します。

 

  • フォントを埋め込む
  • 画像ファイルを印刷に適した解像度で埋め込む
  • 必要に応じてトンボを付ける
  • 4色の場合はCMYKでデータを作る

 

4色の場合、PDFx-1aなどの4色印刷用の規格でPDFを作成します。

こうした仕様は、印刷所とよく相談してください。

 

いったん印刷が開始されると、もう後戻りすることはできません。

印刷の仕組みをよく理解し、印刷所とよく相談してから印刷に取り掛かりましょう。

 

 

株式会社 ワカール