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 ターゲットユーザー像設定のポイント

マニュアルの読み手は、特定少数の人が使う場合と不特定多数の人々が使う場合に二分されます。

 

専門家向けの製品マニュアルや社内向けの業務マニュアルでは、受け手の属性、背景、知識などがある程度はっきりしているので、それを前提に組み立てていけば、まったくピント外れなマニュアルはできないものです。

 

これに対して、一般的な製品やサービスでは、エンドユーザーが多岐にわたることのが普通です。

性別、年齢、知識レベル、背景、属性など、絞り込むことができないのが一般的です。

 

読み手がどんな知識や経験を持っているかを考えずにマニュアルを作ると、たいていの場合は、どんな人にも分かりにくいマニュアルができます。

 

そこで、マニュアルを作る場合は、仮想のターゲットユーザー像を設定します。

マーケティング活動の結果としてユーザー像が割り出されているのであれば、それをお使いになればよいでしょう。

もしそうしたユーザーが設定されていないようであれば、製品を売る側がもっとも買ってもらいたいと思っているユーザー層をターゲットユーザーにするのがよいでしょう。

 

いずれにしても、影も形もない読み手を一人の人間に仕立てることが大切です。

年齢はいくつぐらいで、どんな仕事をしていて、どんな知識を持っていて、どうやってこの製品を使うのか、といった人物像を作り上げてください。

できれば、この人物像を紙に書き出してみてください。

マニュアル企画の段階からスタッフ全員がこの人物像を共有できれば、一貫したマニュアル作りが可能になります。

 

一般的な製品では、すべての人が満足するマニュアルを作ることは、実際問題として不可能です。

同じ説明でも、知識のない人には説明が不足してわかりにくく、知識が豊富な人には説明が冗長でわかりにくい、ということがしばしば起こります。

そうであれば、最大公約数のターゲットユーザー像を設定して、その人たちに最大限わかりやすい表現を工夫するのが、もっとも多くのユーザーにわかりやすさを届ける早道だと考えています。

 

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